エアコンの消費電力「W(ワット)」をご存知でしょうか?
消費電力とは、ある電化製品を動かすために必要な電力量のことです。
「エアコンのワット数ってどのくらいがいいの?」
「エアコンのワット数は節約できないの?」
本記事ではエアコンのワット数に注目し、その選び方と消費電力の計算方法、そしてエアコンの消費電力を節電する方法をご紹介します。
エアコンのワット数がわかれば月額の電気料金も想定できるため、ぜひ参考にしてください。
目次
エアコンのワット数とは?
エアコンのワット数は、カタログの仕様書やエアコン本体についているシールで確認できます。
ワット数の単位は「W(ワット)」「kW(キロワット)」「kWh(キロワットアワー)」と3つです。
それぞれ詳しく解説します。
エアコンの消費電力「W(ワット)」
ワットとは、電化製品を動かすために必要なパワーのことです。
エアコンのワット数は500〜3000W程度が多く、サイズや能力により消費電力は異なります。
一般的には、畳数が大きいエアコンほど消費電力も大きくなります。
エアコンの冷房や暖房の能力「kW(キロワット)」
「kW(キロワット)」という単位をご存知でしょうか?
これはエアコンの性能を示すもので、1時間にどれだけの熱エネルギーを部屋から排出したり逆に加えたりできるかを表しています。
部屋の広さによって必要な「kW」の数値は異なります。一般的には木造の住宅で6畳の部屋であれば2.2kW、10畳の部屋であれば3.6kWが目安となるでしょう。
たとえば、以下のようなエアコンであれば、冷房では2.5kWの能力を発揮するために、500Wの電力を消費することになります。
畳数 |
能力 |
消費電力 |
---|---|---|
7〜10 |
2.5kW |
500W |
参考:Panasonic
期間消費電力量「kWh(キロワットアワー)」
期間消費電力量「kWh」とは、東京の気候を基準に、木造住宅でエアコンを使用した際の1時間当たりの消費電力を見る目安のことです。
実は、エアコンの消費電力は外気温や部屋の温度によって異なります。
そこで、一定の比較基準を作るために「kWh」の目安として東京の気候を採用し、同じ状況下でエアコンの消費電力を算出できるようになっているのです。
わたしたちの毎月の電気使用量も電気メーターで「kWh」を確認され、1kWhあたり何円といった電気料金の計算に用いられる基準として利用されています。
エアコンのワット数から消費電力量を計算する
エアコンのワット数から消費電力量を実際に計算してみましょう。
電気代を計算する場合は「kWh」を使う
電気料金を計算するには「kWh」を使いましょう。「kWh」は電力の使用量を示す単位で、電気料金を決定するために必要な数値です。
1kWhとは、1kW(=1,000W)の電力を1時間使ったときの消費電力量を示しています。
消費電力量の計算方法
消費電力量の計算方法は、以下のとおりです。
つまり、購入したいエアコンがどのくらい電気を使うのか調べるには、消費電力(kW)に使用時間(h)をかければ簡単に計算できます。
電気料金の計算方法
一般的に電気料金は以下の式で計算できます。
基本料金は電気の使用量にかかわらず月々定額で決まっています。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金は全国一律となっており、2023年時点で1kWh当たり1.40円です。
1kWhあたりの電気料金は、電力会社によって異なります。さらに電気料金のプランによってもさまざまです。
ここでは、東京電力で一般的な料金プランである「従量電灯B」を例に、2023年6月に改定された電気料金で計算します。
条件はこちらです。
- 契約アンペア容量:40A
- 電気使用量:500kWh
- 燃料費調整額:-9.95/kWh
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金:1.40円/kWh
東京電力従量電灯B
契約アンペア数 |
月額基本料金 |
---|---|
10A |
295円24銭 |
15A |
442円86銭 |
20A |
590円48銭 |
30A |
885円72銭 |
40A |
1,180円96銭 |
50A |
1,476円20銭 |
60A |
1,771円44銭 |
電力消費量 |
電力量料金(kWhあたり) |
---|---|
~120kWまで |
30円00銭 |
121kWhを超え300kWhまで |
36円60銭 |
300kWh以上 |
40円69銭 |
東京電力従量電灯Bの料金プランでは以下の計算になります。
①基本料金:1,180.96
②電力量料金:30.00円×120kwh+36.60円×180kWh+40.69円×200kWh=18,326円
③燃料費調整額=-9.95円×500=-4,975円
④再エネ賦課金=1.40×500=700円
①+②+③+④=15,231円(小数点以下切り捨て)
契約40Aで電力を500kWh使用した場合、電気代は15,231円となりました。
エアコンにかかる電気代部分は、②電力量料金で計算できます。
エアコンに貼ってあるシールや仕様書などで確認したkWhに使用予定時間数をかけて、プランごとに計算してみましょう。
エアコンのワット数の選び方
エアコンは各メーカーからさまざまな種類が販売されているため、選び方が難しいと考える方もいるかもしれません。
ここでは、エアコンを選ぶポイントを3つご紹介します。
カタログの最大能力値で選ぶ
エアコンのカタログには、エアコンの最大能力値(ワット数)が記載されています。
最大能力値とはエアコンが出力可能な冷暖房能力を表しています。大きな空間を冷暖房するにはパワーのあるエアコンが必要です。
しかし、部屋の大きさに対して能力が大きすぎるエアコンを選ぶと、エネルギー効率は低下してしまい電気代が高くなってしまいます。
反対に能力が小さすぎるエアコンを選ぶと部屋を十分に冷暖房できず、エアコンをつけても快適に過ごせません。
エアコンを購入する際には、カタログの仕様書欄に記載されている最大能力値(ワット数)が部屋の広さにマッチしているか確認しておきましょう。
畳数で選ぶ
多くの場合展示されているエアコンには、畳数が大きく記載されていますよね。
この畳数の目安は、JISC9612に基づいた平均的な住宅(木造、南向き、洋室)の場合です。
しかし、この基準はあくまでも参考であり、以下のような部屋の条件により必要なエアコンの能力値は変わってきます。
- 地域
- 構造
- 方角
- 天井の高さ
- 窓の大きさ
- 部屋の位置や形状
また、たとえば「11〜17畳((18〜28㎡)」と記載されている場合、11〜17畳(8〜28㎡)のどの部屋でも使用できるわけではありません。
「木造平屋南向き(和室)が11畳」、「鉄筋マンション南向き中間層(洋室)が17畳」という意味なので購入時には気をつけましょう。
部屋の条件をしっかりと考慮して、適切なワット数のエアコンを選ぶようにしましょう。
コンセントの許容電力
エアコンは他の電化製品に比べて消費電力が大きいため、差す場所が一ヶ所しかない専用のコンセントが必要です。
エアコンのコンセントには100Vと200Vがあり、エアコンの最大能力値によって選択します。
14畳以上の部屋に使用するエアコンであれば、200Vコンセントが推奨されています。
200Vコンセントを設置するときに200V回路がなければ、分電盤のブレーカーを200Vに交換する工事が必要です。
ブレーカーに「200V」と表示があるかどうか確認しておきましょう。
エアコンの消費電力を節電する方法
エアコンの消費電力を節電する方法をご紹介します。
部屋の広さに合わせたエアコンを選ぶ
エアコンは部屋の広さに合った畳数のものを選ぶことが大切です。
部屋のサイズより小さいエアコンを選ぶと、パワー不足により以下のようなトラブルが起こる可能性もあります。
- エアコンの効きが悪い
- フルパワーなので電気代が高くつく
- エアコンに負担がかかり壊れやすくなる
逆に大きすぎるエアコンを選んだ場合は、以下の問題があります。
- エアコンが効きすぎて健康を害する可能性がある
- 本来なら使用しなくていい電気を使うため、電気代が高くなる
電気代を節約するためには、エアコンは最適のサイズを選びましょう。
フィルターを掃除する
経済産業省の無理のない省エネ節約|家庭向け省エネ関連情報によると、フィルターを月に1回か2回清掃すれば、年間で電気31.95kWhの省エネ、原油換算8.05L、CO2削減量15.6kg、約990円の節約になります。
フィルターの掃除方法は下記の記事で紹介していますので、合わせてご覧ください。
エアコンのワット数に関するよくある質問
エアコンのワット数に関するよくある質問をご紹介します。
一般的なエアコンの消費電力は?
Panasonicのエアコンの仕様書によると、6〜9畳用で425〜440W、8〜12畳用で515〜690Wです。
エアコンの「つけっぱなし」と「こまめに入り切り」はどちらがいい?
出典:ダイキン工業
ダイキン工業で検証した結果によると、日中9:00〜18:00の時間帯で30分間であれば、エアコンを切るより「つけっぱなし」にするほうが消費電力量は少なかったようです。
冷房と暖房で必要なワット数は違う?
冷房と暖房で必要なワット数は異なります。
また、夏場より冬場のほうが外気温と適温に感じる室温にに下げるまでの温度差が大きいため、多くの電力を使います。
まとめ
今回は、エアコンのワット数の選び方と消費電力の計算方法、またワット数の節約方法をご紹介しました。
ワット数の選び方のポイントは、以下のとおりです。
- 使用した部屋にマッチしたエアコンの最大能力値を選ぶ
- 畳数は目安なので、部屋の条件を考慮して選ぶ
- コンセントの許容電力を確認する
適切にエアコンを選べば毎日快適な部屋で過せるため、今回ご紹介したポイントをぜひ参考にしてくださいね。
また、古いエアコンは高価買取できる可能性があるため、手数料を払って廃棄してもらう前に、一度買取店への相談をお勧めします。
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