「エアコンを買い替えると、どれぐらい費用がかかるんだろう?」
「エアコンって本体を買う以外にもたくさんお金が出ていきそうで、もし高額な請求をされたらどうしよう?」
エアコンを買い替えるのにどれぐらいの費用が必要なのか、不安に思っていませんか?
エアコン本体だけでも十分高いのに、さらに多くの請求をされたら困ってしまいますよね。
結論から申し上げると、エアコンの買い替えにあたり必要になる費用は全部で5種類あります。
-
新しいエアコン本体の購入費
- 新しいエアコンの設置費
- 古いエアコンの取り外し費用
- 古いエアコンのリサイクル料
- 古いエアコンの収集運搬費
このように、エアコンの買い替えには本体購入費以外にも多くの出費が伴います。
また、新しいエアコンの設置費は工事の内容によっても変わります。
知らないまま予算を組んでしまうと、エアコン買い替え時に思わぬ出費が発生して、エアコンの買い替え作業がスムーズに進まない恐れがあります。
そうならないためにも、本記事ではエアコンの買い替え時にかかる費用について詳しくご紹介していきます。
この記事でわかること
- エアコンの「標準取り付け工事」の費用
- エアコンの「追加工事」の費用
- 古いエアコンの処分にかかる費用
- エアコンの買い替え費用を抑えるためのポイント
この記事を読めば、エアコンの買い替えではどれぐらい費用がかかるのか、どのような場合に追加料金が発生するのかがわかります。
ご自宅のケースと照らし合わせて、買い替え予算を組んでみましょう。
目次
エアコンの標準取り付け工事について
エアコンの取り付け工事には、エアコン設置に最低限必要な「標準取り付け工事」と、追加で作業が必要となる際におこなわれる「追加工事」があります。
エアコンの標準取り付け工事の内容
まず標準取り付け工事をおこなう前に、以下の一般的な基準を満たしているかどうかを確認します。
-
室外機を平地やベランダに設置できるか
- 室外機と室内機を4m以内の配管で接続できるか
- 配管を通すための穴があるか
- 室内機近くに専用のコンセントやアースがあるか
- 真空引きができるか
上記をクリアした場合は標準取り付け工事のみでエアコンの設置が可能で、所要時間は1時間半~2時間程度です。
一般的な標準取り付け工事の作業として、以下のものがあります。
作業の種類 | 内容 |
---|---|
室外機の設置 | 平地やベランダへ室外機を設置する |
室内機の設置 | 所定の位置にエアコン本体を設置する |
配管の接続 | 室外機と室内機を配管で接続する |
配管穴のパテ埋め | 配管と壁穴の隙間を塞ぐ |
専用コンセントへの接続 | 電源プラグを接続する |
アース線接続 | 漏電防止のアース端子を接続する |
真空引き | エアコンの配管内部を真空にする |
エアコンの標準取り付け工事の費用
「古いエアコンを取り外し」と「新しいエアコンの設置」で標準取り付け工事を依頼する場合は、以下の5つの費用がかかります。
費用の種類 | 費用相場 | 備考 | |
---|---|---|---|
新しいエアコン | 購入費 | 60,000~110,000円 |
|
設置費 | 12,000~20,000円 |
|
|
古いエアコン | 取り外し費用 | 4,400~8,800円 |
|
リサイクル料 | 990円 |
|
|
収集運搬費 | 550~3,000円 |
|
上記をみると、最低でもおよそ7万円以上の費用を見ておくべきでしょう。
なお、標準取り付け工事で対応できない作業については追加工事が必要となります。以下で詳しく見ていきましょう。
エアコンの標準取り付け工事の内容に当てはまらない場合の費用
エアコンの標準取り付け工事では対応できない作業については、「追加工事」として別途料金を払って対応してもらいます。
追加工事費は建物の環境により左右されやすいため、新しいエアコンの購入を検討している場合は、次の内容を一つずつ確認していきましょう。
1:エアコン(室内機)を設置する壁の材質が特殊
室内機を取り付ける壁の材質が特殊な場合、取り付けビスを打てるようアンカーを使用する、落下防止のためのタテ桟を使用するなどの特別な取付が必要です。
設置の際にこのような補助部材が必要かどうか、事前に調べておきましょう。
壁の材質 | 取付方法 | 費用 |
---|---|---|
コンクリート製 | アンカーによる取付 | 2,000~2,200円 |
砂壁、土壁 | タテ桟による取付 | 1,600~2,000円 |
2:室外機の設置方法が平地置き・ベランダ置き以外
家屋のつくりによっては、室外機を平地置きやベランダ置きができないこともあります。
例えばマンションなどでベランダに室外機を置くスペースがない場合は、室外機を天井から吊るす必要があります。このとき、室外機を吊るすための専用の架台が必要になります。
また、室外機を2台以上設置するときに十分なスペースが確保できなければ、専用の棚を用いて上下に重ねて設置することになります。
さらに、室外機を高所へ運ぶために専用の機材で持ち上げる、高所での金具の固定作業をするなどの作業が発生することもあります。このような工程が多くなるにつれて、当然費用も高くなります。
このように室外機の置き方によっては費用がかさむことがあるため、設置方法は事前に確かめておきましょう。
設置方法 | 主な工程 | 相場費用 |
---|---|---|
天井吊り |
|
7,000~23,000円 |
壁面置き |
|
7,000~18,000円 |
屋根置き |
|
7,000~18,000円 |
二段置き |
|
8,000~28,000円 |
3:室内機と室外機が別フロア・配管パイプが4m以上
室外機と室内機を別フロアに設置する場合、はしごやスライダーを壁に立てかけて配管を設置するなどの追加工事が必要になります。
一階の足場が悪くはしごの設置が難しい、一階の作業スペースが十分に確保できないなどの場合は、さらに別途対応が必要となるため注意しましょう。
なお、室外機と室内機が同じフロアの設置であっても、両方を接続する配管パイプの長さが4m以上となる場合は追加工事となるため、距離を調べておきましょう。
また、設置場所を変えるのにともなってドレンホースや配管を延長する場合も「追加工事」扱いとなります。
工事内容 | 相場費用 |
---|---|
はしご(スライダー)作業 | 5,500円~(階層により変動) |
ドレンホースの延長 | 500~800円(1mあたり) |
配管の延長 | 3,000~4,000円(1mあたり) |
4:配管パイプを通す穴がない・もしくは特殊
エアコンを設置する際、室外機と室内機をつなぐ配管やドレンホースを通すための「穴」が必要です。
木造の家屋である場合の穴あけ工事は「通常工事」に含まれることが多いです。
しかし、タイル壁やコンクリート壁への穴あけ工事は「追加工事」となります。
また2023年10月に改正された「石綿障害予防規則」により、エアコンなどの設置にともなう新規の穴あけ工事をおこなう際は、有資格者による石綿事前調査が必要となりました。そのため、新しくエアコンを設置するときの穴あけ工事には石綿事前調査の費用もかかります。
事前調査の結果から石綿対策の工事が必要となることもあり、さらには建物の着工年月と地域によってそもそも新規の穴あけ工事ができない場合もあるため注意が必要です。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
石綿事前調査 | 3,000~4,000円 |
石綿対策工事 | 10,000~14,000円 |
タイル | 4,500~7,000円 |
コンクリート | 11,000~18,000円 |
モルタル・石膏ボード | 3,000~4,500円 |
また、最近の建物では壁の中に配管を埋め込む「隠蔽配管」が多くなっています。隠蔽配管の設置も「追加工事」となります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
隠蔽配管工事 | 7,000~9,000円 |
ユニオン工事 | 4,400円前後 |
配管の洗浄 | 33,000円前後 |
5:ポコポコと音がするのを防ぎたい
外気から流入する風が原因でドレンホース内の空気が逆流し、エアコンからポコポコと音がする場合があります。これは、ドレンホースにエアーカットバルブを取り付けてもらうことで発生を防げます。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
エアーカットバルブの取り付け | 1,700~4,500円 |
6:配管パイプにカバーを取り付けたい
配管パイプにカバーをするのも「追加工事」の扱いとなります。
配管パイプにカバーをするメリットは主に2つあります。
1つ目は、配管まわりの見た目がきれいになることです。
配管はテープを巻いて保護するのが一般的ですが、テープが劣化するとボロボロと剥がれ落ちてしまい、内部が見えてしまうことがあります。
今では配管カバーにもさまざまな形状や見た目が出回っているため、外観を整える意味でも配管カバーの取り付けを検討するのはありかもしれません。
2つ目は、配管の劣化を防ぐことです。
配管がむき出しの状態では、雨風にさらされることで配管自体の劣化を早めてしまいます。すると、水漏れやガス漏れを引き起こす原因となってエアコンの性能が悪化します。
カバーを取り付けることで、配管を直射日光や雨風にさらさずに済むため、配管劣化によるエアコンの動作不良を予防できます。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
室外用配管カバーの設置(同じ階をつなぐ配管) | 6,000~8,000円 |
室外用配管カバーの設置(異なる階をつなぐ配管) | 15,500~16,000円 |
室内用配管カバーの設置 | 8,800~11,000円 |
7:エアコン専用コンセントがない
エアコンは大きな電力を使うため、通常のコンセントを使ってしまうと併用している機器に大きな負荷がかかり、故障の原因となります。また、規格を超える電力の消費によって、火災の原因にもなります。
このような事故が起こらないよう、安全にエアコンを使用するための専用コンセントを取り付ける「追加工事」が必要です。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
専用回路工事とコンセントの設置(回路とコンセントが同じ階) | 15,500~16,500円 |
専用回路工事とコンセントの設置(回路とコンセントが異なる階) | 19,000~27,500円 |
8:電源・電気容量・プラグの形状が異なる
エアコンの電源プラグの形状は、電気容量の違いにより異なります。そのため、既存のエアコン専用コンセントの形状と、購入されるエアコンの電源プラグの形状が合わないことがあります。
例えば、すでに設置されているエアコン専用コンセントの規格が100Vであり、新しいエアコンが200V対応のものである場合、100Vから200Vに切り替えるというような上位電圧への切替工事が必要になります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
電圧切替工事 | 1,000~2,200円 |
コンセント交換 | 2,000~2,500円 |
分岐ブレーカーの交換 | 4,000~4,500円 |
9:スマートフォン連携機能のエアコンを設置する
購入を検討している新しいエアコンがスマートフォン連携機能を備えている場合は、室内機に無線アダプターを取り付ける工事が必要となります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
無線アダプターの取り付け | 3,300円前後 |
10:2階以上の部屋でエレベーターがない
マンションなどで2階以上の部屋に搬入する際、エレベーターがない場合は別途料金がかかります。
以下は、1台当たりの搬入および搬出にかかる5階までの費用の例です。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
2階 | 1,100~3,300円 |
3階 | 2,200~3,300円 |
4階 | 3,300~4,400円 |
5階 | 4,400~5,500円 |
11:古いエアコンがガスエアコン
ガスエアコンを取り外す場合、電気型エアコンとは若干取り扱いが変わります。
具体的には、ガスエアコンの場合は取り外し作業をおこなう前に、ガスの閉栓と温水管内の排水をしなければなりません。一般的に家電量販店ではこれらの作業をおこなっていないため、契約しているガス会社に依頼しましょう。
なお、ガスエアコンは現在製造を終了しているため、故障した場合は電気型エアコンへの買い替えが必須となり、電気型エアコン用の作業を依頼する必要があります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
ガスの閉栓、温水管内の排水 | 10,000円前後 |
ガスエアコンの取り外し | (現地での確認により算出) |
古いエアコンの処分にかかる費用
取り外した古いエアコンは、家電量販店や下取り業者、もしくはお住まいの自治体にしたがって廃棄されます。その際に必要となるのが「リサイクル料」と「収集運搬費用」です。
詳しく見ていきましょう。
収集運搬費用
取り外したエアコンを、業者が運ぶ際にかかってくる費用です。
主な相場は以下の通りです。
-
収集運搬費の相場は550~3,000円程度
リサイクル料
エアコンを処分する際はリサイクル料がかかってきます。
リサイクル料は、郵便局の窓口での支払いが可能です。
家電量販店などに下取りを依頼しているならば、その店舗でも支払うことができます。
費用相場は下記の通りです。
-
リサイクル料の相場は990円程度
古いエアコンの処分方法については、「不要なエアコンの処分方法7つ|処分にかかる費用を分かりやすく解説」もぜひお読みください。
エアコンの買い替え費用を抑えるためのポイント
それでは、エアコンの買い替え費用を少しでも安く抑えるためにはどうしたらいいのでしょうか?
ここでは、2通りの方法をご紹介します。
古いエアコンを買い取りしてもらう
古いエアコンを業者に買い取りしてもらう方法があります。
そのため、取り外したエアコンをすぐに廃棄してしまうのではなく、下取り業者に買い取り査定をしてもらうことも考えてみましょう。
買い取りしてもらうことで多少の費用ができれば、新しいエアコンを購入する際の資金にもあてられますよね。
ただし、エアコンの状態によっては、買い取りが難しい場合があります。
その際は、ご自身で古いエアコンの処分を進めていく必要があります。
詳しい処分方法については「不要なエアコンの処分方法7つ|処分にかかる費用を分かりやすく解説」もぜひご確認ください。
新しいエアコンを購入する際は安くなる時期を狙う
新しいエアコンを購入する際は、なるべく商品が安くなる時期を狙うのも大事です。
1年のうちでもっともエアコン(型落ち品)がリーズナブルに市場に出回るのは、春(2~3月)と秋(10~11月)です。
この時期は、各社からそれぞれ新モデルがリリースされるタイミングでもあるため、それ以前の機種が安くなる傾向にあります。
そのため、エアコンを新規で購入するのであれば、このように比較的安く入手しやすい時期を狙って購入するのもよいでしょう。
エアコンのベストな買い替え時期を知りたい方は「エアコンのベストな買い替え時期は春&秋!10年越えユーザー必見!」も合わせてお読みください。
一年のうちでエアコンを買い替えるのにベストな時期と、その理由を詳しくご紹介しています。
まとめ
今回はエアコンの買い替え費用についてご紹介しました。最後にポイントをおさらいします。
- エアコンの買い替えには、エアコン本体を購入する以外にも別途費用が必要
- 設置、取り外し時には、お住まいの状況に合わせて「追加工事」が必要となることも
- 「追加工事」は工事内容によって費用が増減するので、設置環境を事前にチェックをすると安心
- 古いエアコンを買取や下取りに出して、エアコン買い替え費用にあてるとお得
お伝えしたように、エアコンの買い替えには様々な費用が必要になります。
費用の足しにするためにも、古いエアコンはできるだけお得に買取・下取りしてもらいたいですよね。
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