洗濯機の定期的なメンテナンスと聞くと、「面倒」「できれば避けたいもの」と思うでしょうか。
実は洗濯機には、楽ちんなメンテナンス方法があります。この方法を使えば、隙間時間に、時短で洗濯機のメンテナンスが可能です。
この記事を読めば、すぐにでも洗濯機をメンテナンスしたくなることでしょう。
目次
洗濯機のメンテナンス頻度はどのくらい?
洗濯機のメンテナンスは、およそ1カ月に1回を目安におこなうのが理想です。
洗濯機は、水気を伴う機器です。また衣類の繊維や食べカスなどの有機的な汚れもたまりやすいため、メンテナンスを怠ると、あっという間にカビが繁殖します。
しかし1カ月に1回といえども、定期的に洗濯機をメンテナンスするとなるとハードルが高いと感じるでしょう。
そこで活用したいのが、次の2つです。
- 「漬け置き」を活用した時短のメンテナンス
- 強力で効率のよいクリーナーの活用
毎月の洗濯機のメンテナンスが苦にならないように、最小限の手間で最大限の効果が期待できる方法を、具体的にご紹介します。
なるべく楽に!洗濯機のメンテナンス方法
洗濯機には、取り外して洗えるパーツが多くあります。汚れやすい場所は1カ月に1回を目安に定期的にメンテナンスをおこなうことが大切です。
以下は、洗濯機のメンテナンスが必要な場所と、メンテナンスの頻度の目安をまとめたものです。
洗濯機のメンテナンス場所 |
メンテナンスの頻度 |
洗濯槽 |
1カ月に1回程度 |
洗濯槽(取り外しできるドラム式洗濯機の場合) |
3カ月に1回程度 |
フィルター |
場所によって、洗濯するたび〜1カ月に1回程度 |
排水ホース |
1カ月に1回程度 |
柔軟剤トレイや洗剤トレイ |
|
ドアのゴムの部分(ドラム式洗濯機の場合) |
洗濯機のメンテナンス箇所を確認
洗濯機のメンテナンスが必要な場所は、大きく分けて5つあります。
- 洗濯槽
- フィルター
- 排水ホース
- 柔軟剤トレイや洗剤トレイ
- ドアパッキン(ドラム式洗濯機の場合)
なおドラム式洗濯機の場合、洗濯機のモデルによっては、洗濯槽を取り外してメンテナンスできるものもあります。
それぞれのパーツによって、使われている素材や働きが違うため、メンテナンスの仕方は異なります。可能な限りパーツを取り外して、最適な方法でメンテナンスすることが、手間を最小限に抑えながら洗濯機を衛生的な状態に整えるポイントです。
各フィルターの大きなごみを取り除く
洗濯機には、次のような場所に取り外し可能なフィルターが搭載されています。
洗濯機のフィルターの種類 |
フィルターの設置場所 |
フィルターの役割 |
メンテナンスの頻度 |
排水フィルター |
洗濯機の排水ホース付近 |
洗濯排水から排出されるカスやなどを集める |
1カ月に1回程度 |
ファブリックフィルター |
洗濯機内部 |
衣類から浮遊する細かな繊維やカスを集める |
洗濯するたび |
インレットフィルター(入口フィルター) |
洗濯機に水を供給するホースの入口 |
水道水中のゴミや異物を防ぐ |
製品によって異なるメーカーに要確認 |
エアトラップフィルター |
洗濯機内部 |
洗濯機内部の空気を取り除くためのフィルター |
上記フィルターのうち、自分でメンテナンスできるのは、排水フィルターとファブリックフィルターです。
インレットフィルター(入口フィルター)とエアトラップフィルターは、洗濯機の機種によって自分でメンテナンスできる場合もありますが、メーカーなどに依頼しなければならないこともあります。お持ちの洗濯機がいずれの種類かが、洗濯機の取扱説明書や、メーカーのホームページなどでご確認ください。
ここでは、ほとんどの洗濯機において自分でメンテナンスが可能な、排水フィルターとファブリックフィルターのメンテナンス方法についてご紹介します。
<排水フィルターのメンテナンスの手順>
排水フィルターのメンテナンスの際に用意するものは、ぬるま湯と古い歯ブラシなどです。具体的には、次の6つの手順でおこないます。
手順1:洗濯機の電源を切る |
・感電などの事故を防止するため、フィルターをメンテナンスする前には、必ず洗濯機の電源を切ります |
手順2:排水ホースを外す |
・フィルターは通常、洗濯機の底部の排水ホースに接続されています ・洗濯機の裏側や底部にあるカバーを外して、排水ホースを取り外してください |
手順3:フィルターを取り出す |
・フィルターを優しく回転させて取り外します ・ただ洗濯機のモデルによって、フィルターが固くて取り外せないこともあります。この場合は、専門の業者にメンテナンスを依頼してください |
手順4:フィルターを洗浄する |
・取り外したフィルターを水洗いします ・ぬるま湯に浸し、古い歯ブラシなどを使用して優しく汚れをこすり落としてください |
手順5:フィルターを再設置する |
・元の位置に設置します ・このとき、しっかりと差し込まれていることを確認してください ・十分にはまり込んでいないと、排水ホースを接続できません |
手順6:排水ホースを戻す |
・排水ホースを接続してください ・このとき、しっかりと差し込まれていることを確認してください ・十分にはまり込んでいないと、水漏れの原因になることがあります |
排水フィルターのメンテナンスが不十分な場合、スムーズに排水できなくなったり、洗濯機の動作に影響が出ることがあります。1カ月に1回を目安に定期的なメンテナンスをおこなって、洗濯機のパフォーマンスを保ってください。
<ファブリックフィルターのメンテナンスの手順>
ファブリックフィルターのメンテナンスの際に用意するものは、ぬるま湯と古い歯ブラシ、専用のクリーナーなどです。具体的には、次の5つの手順でおこないます。
手順1:洗濯機の電源を切る |
・感電などの事故を防止するため、フィルターをメンテナンスする前には、必ず洗濯機の電源を切ります |
手順2:洗濯槽のフタを開ける |
・洗濯槽のフタを開けてください ・ファブリックフィルターは通常、洗濯槽の底部に設置されています |
手順3:ファブリックフィルターを取り外す |
・ファブリックフィルターを回転させながら取り外します ・ファブリックフィルターが固定されている洗濯機の場合は、取扱説明書で取り外し方をご確認ください |
手順4:ファブリックフィルターを洗浄する |
・ぬるま湯を使用して、フィルターの中のカスや異物を洗い流します ・固くこびりついた汚れがある場合は、ぬるま湯に浸し、歯ブラシやクリーナーを使用してメンテナンスしてください |
手順5:ファブリックフィルターを再設置する |
・洗い終わったフィルターを、元の位置に設置します ・しっかりと差し込まれていることを確認してください |
ファブリックフィルターは、洗濯物の繊維や汚れがたまりやすいため、洗濯が終わるたびにメンテナンスするのが理想です。
ファブリックフィルターのメンテナンスを怠ると、洗濯槽内にカビが生える原因になる可能性があります。こまめにメンテナンスすれば、軽く水洗いする程度ですぐに汚れが取れますので、洗濯後の習慣にしてください。
外せるパーツはバケツに入れてオキシ漬け
取り外せる洗濯機のパーツは、外してオキシクリーンに漬け置きしましょう。オキシクリーンに漬け置きすれば、簡単に汚れを落とせるので便利です。
なお取り外せるパーツは、縦型洗濯機とドラム式洗濯機で異なります。
<縦型洗濯機の取り外せるパーツ>
- ファブリックフィルター
- 排水ホース
- 排水フィルター
- ドレンポンプフィルター(排水口に付いたフィルター)
<ドラム式洗濯機の取り外せるパーツ>
- ファブリックフィルター
- ドアパッキン(ドアのゴム部分)
- 洗剤トレイ
- 柔軟剤トレイ
- 排水ホース
- 排水フィルター
洗濯機のモデルによっても取り外せるパーツが異なるケースがあります。取り外せる場所と取り外し方の詳細は、取扱説明書でご確認ください。
漬け置きするオキシクリーン水の作り方は、以下のとおりです。
洗濯機のパーツ |
オキシクリーンと水の分量 |
ファブリックフィルターなどの小さなパーツ |
水1カップに対して、オキシクリーンを1-〜2スプーン程度 |
洗剤トレイなど中程度のサイズのパーツ |
水2カップに対して、オキシクリーンを2〜3スプーン程度 |
ドアパッキンなど大きなパーツ |
ドアパッキンなど大きなパーツ |
オキシクリーンに漬け置きするパーツのサイズに合わせて、オキシクリーンの量を調整してください。オキシクリーンの濃度が濃すぎると、洗濯機のパーツを傷めることがあります。
またオキシクリーンに漬け置きする時間は、数分から数十分程度に留めてください。
漬け置きが終わったら、水やぬるま湯で付着したオキシクリーンを十分に洗い流してから、パーツを洗濯機に装着します。
縦型なら洗濯槽にオキシクリーンを入れて回すだけ
縦型洗濯機の場合は、オキシクリーンを入れて回すだけでメンテナンスすることも可能です。
手順1:洗濯機にオキシクリーンを投入する |
・およそ30ml程度のオキシクリーンを、洗濯槽に投入する |
手順2:最大水量まで洗濯槽に水を入れて漬け置き |
・最大水位まで洗濯槽に水を入れる ・そのまま10分から30分程度、洗濯槽内部をオキシクリーンに漬け置きする |
手順3:洗濯機を通常運転させる |
・通常運転で洗濯機を回す |
手順4:洗濯槽内部を水で洗い流す |
・オキシクリーンが洗濯槽内に残留していることがあるので、たっぷりの水で洗濯槽を洗い流す |
手順5:洗濯槽内部を乾燥させる |
・洗濯機のフタを開けっぱなしにして、内部を完全に乾燥させる |
オキシクリーンを洗濯機に投入してメンテナンスする際は、十分に換気してください。
またメンテナンス後は、洗濯槽内部を十分に乾燥させることもポイントです。水気が残ったままでは、カビが発生する原因につながりかねません。
なお上記のメンテナンス方法は、縦型洗濯機にのみ対応しています。ドラム式洗濯機は扉が横に開くため、洗濯槽内部に水をためてオキシクリーンに漬け置きできないので、ご注意ください。
ドラム式は塩素系漂白剤を使う
ドラム式洗濯機のメンテナンスであれば、塩素系漂白剤を使うのがおすすめです。
ドラム式洗濯機の場合、ゴム製のドアパッキンなどにカビが繁殖しやすく、不衛生になりがちです。そこで活躍するのが、塩素系漂白剤です。
塩素系漂白剤には、次のような作用があります。
- 除菌
- 消臭
- カビの除去
- 漂白
塩素系漂白剤でメンテナンスすれば、ドラム式洗濯機内部の雑菌やカビを効率よく除去できます。
塩素系漂白剤を活用したドラム式洗濯機のメンテナンスは、次の手順でおこなってください。
手順1:洗濯機に塩素系漂白剤を投入する |
・洗濯槽のサイズに合わせて、塩素系漂白剤をを投入する |
手順2:洗濯機を通常運転させる |
・通常運転で洗濯機を回す |
手順3:洗濯機を再度洗浄する |
・塩素系漂白剤が洗濯槽内に残留していることがあるので、たっぷりの水で洗濯槽を洗い流す |
手順4:洗濯槽内部を乾燥させる |
・洗濯機のフタを開けっぱなしにして、内部を完全に乾燥させる |
縦型洗濯機のメンテナンスと同様に、洗浄が終わったら洗濯槽内部を十分に乾燥させることで、カビや悪臭の予防効果が高まります。
なお塩素系漂白剤は、強力な薬剤です。使用する際は手袋を着用するとともに、十分な換気をおこなってください。
また汚れやカビを一気に落としたいからといって、大量に塩素系漂白剤を投入するのは危険です。洗濯機の故障につながるほか、気化した塩素系漂白剤の成分の影響で、体調を崩す可能性があります。
塩素系漂白剤は、洗濯機のサイズに合わせて、適量を使用することが大切です。
洗濯機のメンテナンスで気を付けること
洗濯機のメンテナンスは、安全かつ衛生的に洗濯機を使用するために欠かせません。その反面で、正しくメンテナンスしないと、洗濯機の寿命を縮める可能性もあります。
洗濯機のメンテナンスをおこなう際は、次の点にご注意ください。
- 洗剤の種類を正しく使い分ける
- 漬け置きの時間を守る
- 洗剤を大量に使わない
洗剤の効果を正しく理解する
洗濯機のメンテナンスに使用する洗剤は、次の2種類に分類できます。
- 塩素系クリーナー
- 酸素系クリーナー
それぞれに洗浄力や落とせる汚れの種類、注意すべき点が異なるので、正しく使い分けることが大切です。
<塩素系クリーナーで落とせる汚れの種類>
- カビや黒ずみ
- 洗濯機内部の臭い
- 洗濯槽や洗剤トレイなどに着色した汚れ
<塩素系クリーナーを使用する際の注意点>
- 手袋を着用し、衣類などに付着しないように注意する
- 換気を十分におこなう
- 適量を守る
- 塩素系クリーナーを使用できない素材もあるので、使用する前に確認する
塩素系クリーナーは、強い洗浄力が期待できます。ただし取り扱いには、注意が必要です。
<酸素系クリーナーで落とせる汚れの種類>
- 軽い汚れ
- 有機的な汚れ(食べかすなど)
<酸素系クリーナーを使用する際の注意点>
- 洗浄力がマイルドなので、ひどい汚れは落とせない
- 漬け置きが必要で大量に泡が発生するため、ドラム式洗濯機には向かない
酸素系クリーナーは、縦型洗濯機の軽微な汚れを落とす際に使用するのがおすすめです。
長時間漬け置きするとサビの原因に
縦型洗濯機を酸素系クリーナーで洗浄する際は、漬け置きが必要です。ただし極端に長い時間いわたってつけ置きすると、洗濯機内部の金属が変質し、サビの原因になるのでご注意ください。
クリーナーごとに、必要な漬け置き時間が設定されています。設定された時間をこえて漬け置きしたからといって、洗浄力が高まるわけではありません。
製品ごとに定められた漬け置き時間を守り、正しくメンテナンスしてください。
洗剤を入れすぎない
洗濯機のクリーナーを使用する際は、それぞれの製品に設けられた適量を守って使用してください。
クリーナーは洗濯機に付着した汚れやカビを落としますが、それと同時に洗濯機本体にも少なからずダメージを与えています。クリーナごとに定められた適切な用量は、ダメージを最小限に抑えながら最大限洗浄効果を発揮させるための分量です。
適量をこえてクリーナーを使用した場合、洗濯機の故障につながる可能性もあります。クリーナーごとに定められた適量を守って、使用することが大切です。
しっかりメンテナンスは業者に依頼を
洗濯機は水を使う電子機器であるため、衛生的かつ安全に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
しかし自分で清掃するだけでは、手の届かないところもあるでしょう。また忙しい毎日では、洗濯機のメンテナンスに時間を割くのが難しいケースも少なくありません。
そういった場合は、洗濯機のメンテナンスに対応している業者に依頼するのも良い方法です。費用はかかるものの、洗濯機のメンテナンスに慣れたスタッフが手早く作業をおこなうので、効率が良い点は魅力です。また洗濯機のメンテナンスに割く時間や労力を、節約できます。
洗濯機のメンテナンスに対応している業者の費用相場は、以下のとおりです。
縦型洗濯機 |
約5,000円から1万円程度 |
ドラム式洗濯機 |
約1万円から2万円程度 |
料金体系は、それぞれの業者によって異なります。価格だけで判断せず、具体的なサービスの内容や口コミなども参照し、複数の業者から見積もりをとって検討することが大切です。
なお洗濯機のメンテナンスを請け負う業者には、次のようなものがあります。
- ハウスクリーニング業者
- 家事代行業社
- 便利屋
インターネットで「洗濯機 メンテナンス 業者 地域名」を入力して検索すると、お住まいの地域で洗濯機のメンテナンスに対応している業者を見つけられます。ハウスクリーニング業者などの比較サイトを利用するのもよいでしょう。
少なくとも3社程度は見積もりを依頼して、比較検討してからご依頼ください。
まとめ
洗濯機を衛生的に、かつ長く安全に使用するために、こまめなメンテナンスが欠かせません。
しかし忙しい日々の中で、洗濯機のメンテナンスを定期的に実施するのは難しいこともあるでしょう。そこで活用したいのが、次の方法です。
- 取り外せるパーツの漬け置き
- 洗濯槽の漬け置き(縦型洗濯機の場合)
- 塩素系漂白剤で効率よく洗浄(ドラム式洗濯機におすすめ)
- 洗濯機のメンテナンスは業者に外注するのもあり
洗濯機用のクリーナーを上手に使い分けながら、効率的な洗濯機のメンテナンスを習慣にしてみませんか。