「スポットクーラーはどうやって選べばいいの?」
「家庭用と業務用って何が違うの?」
このようにスポットクーラーについて気になっている方は多いのではないでしょうか?
従来のスポットクーラーは、省スペースでの使用や特定の場所のみでの使用といった目的で使われていました。しかし、近年では高騰する電気代を抑えるための節電用として、さらには近年頻発している地震などの災害用としても購入を検討している方が増えています。
そこで本記事は、スポットクーラーの選び方とおすすめの機種について紹介しております。ぜひ参考にしてみてください。
目次
スポットクーラーとは?
スポットクーラーは、工事なしで使用できる移動可能な冷房機器のことを指します。メーカーによって、スポットエアコン、ポータブルクーラー、冷風機などさまざまな呼び方があります。壁や窓に固定して使用するのではなく、好きな場所に設置することができることが特徴です。
部屋全体を冷やすという目的よりも、エアコンの空気が届かずに暑くなりがちな特定の場所を冷やすことに向いています。室内機と室外機が一体になっていることで背面から熱風が出るので、排熱ダクトから熱風を室外に逃すことで室内の温度をあげない工夫が必要です。
スポットクーラーとエアコンはどっちがおすすめ?
スポットクーラーは、エアコンの設置が難しい場合や、部屋を頻繁に移動するためにちょっとした時間だけ使いたい方におすすめです。
スポットクーラーは手軽に設置や移動ができるため、短時間の使用や頻繁に動かすことが多い場合にエアコンの代替として利用できます。ひと昔前のスポットクーラーは出力が低いためにエアコンのほうが優れていましたが、現在は室温を十分に下げることができるハイパワーモデルも多くなっています。
稼働時間 | スポットクーラー(*1) | エアコン(*1) |
---|---|---|
1時間 | 約20円 | 約17円 |
1日(24時間) | 約480円 | 約408円 |
1ヵ月(10時間/日) | 約6,000円 | 約5,100円 |
(*1)電気料金単価30円/kWh、6畳用と仮定した場合の平均値を算出
一方で、上の表のように電気代についてはエアコンのほうが安いです。そのため、ランニングコストではなく利便性を重視する方はスポットクーラーを選ぶのがよいでしょう。
※さらに詳細が知りたい方は「おすすめの窓用エアコン9選!ウィンドウエアコン取り付けの注意点や電気代について解説!」をあわせてご覧ください。
スポットクーラーの選び方
では、実際にスポットクーラーの購入を検討したときに「どのように選んだらいいの?」と悩む方もいらっしゃるでしょう。
この場合は主に「用途」「条件」「機能」を基準として、自身に合ったスポットクーラーを選ぶようにしましょう。
用途から選ぶ
スポットクーラーには、移動がしやすいコンパクトな「家庭用」と、建設現場や体育館で使用できる「業務用」の2種類があります。使用用途によって、どちらかのスポットクーラーを選択することになります。
家庭用
家庭用のスポットクーラーは、持ち運びがしやすいようにキャスターや持ち手がついている機種が多いことが特徴です。床に設置するタイプだけではなく、卓上に置いて使用できるコンパクトな機種もあります。
家庭用の機種は家庭用コンセントに対応している100Vの電圧で、冷房能力0.7~2.0kW(700~2,000W)のものが一般的です。室内から室外に熱風を排気できるように排気用ダクトやホースが付属されていることが多いです。
業務用
屋外のイベント、工場、体育館などの広い場所で使用する場合は、冷房能力が家庭用よりも高い業務用の利用がおすすめです。業務用の電圧は200Vが一般的で、三相タイプは商品電力を抑えることができます。
ただし、冷房能力が高いためにスポットクーラー自体のサイズが大きく、あわせて運転時の音も大きくなることに注意です。業務用のスポットクーラーを使用するなら、稼働時の騒音もクリアできる程の広さがある設置場所を確保する必要があります。
条件・機能で選ぶ
用途以外の判断材料として、たとえば「使用したい環境の条件下で満足な機能を備えているか」「手入れなどで便利な機能が付いているか」といった条件や機能で選ぶのも一つの手です。以下に主な項目を挙げて解説します。
「ノンドレン式」なら排水不要でお手入れが簡単
スポットクーラーが吸い込んだ空気を冷やすときに出るのが「ドレン水(除湿水)」です。
ドレン水は排水タンクにたまっていき排水を捨てる手間がかかりますが、ノンドレン方式のスポットクーラーであれば排水をする必要がありません。ドレン水を排気と一緒に放出するので、長時間の連続使用でも排水の手入れが必要ありません。
冷房能力で選ぶ
スポットクーラーを選ぶときには冷房能力を確認しましょう。
冷房能力はkW(またはW)で表記されており、数値が高くなるほど冷房能力も高くなります。一般的に、家庭用のスポットクーラーは0.7kW~2.0kW(700~2000W)、業務用は2.0kW以上が多いです。一般的です。機種によっては5kWを超えるものもあります。
家庭用として使用するなら2kW以上の機種、業務用であれば2.5kW以上の機種がおすすめです。スポットクーラーは「〇畳用」と記載されていないことが多く、目安としては4.5畳の部屋に使用するのであれば冷房能力が2.0kW以上の機種が適しています。
寝室で使うなら静音性の高いものを選ぼう
室内機と室外機が一体化しているスポットクーラーは運転音が大きくなりがちです。そのため、寝室などの運転音が気になる場所で使用するのであれば、騒音値(dB)を確認しましょう。
一般的な家庭用スポットクーラーの騒音値は60dB前後が多く、数値が高くなるほど音が大きくなります。たとえば夏につけたまま使用する場合には、騒音値が低い機種を選ぶといいでしょう。
持ち運びするなら小型モデルが便利
設置予定の場所で問題なく使用できるように、スポットクーラーの本体サイズを確認しましょう。
室内でスポットクーラーを移動させたい場合は、キャスターがついてる機種や重量が軽い機種がおすすめです。
キャンプやバーベキューなど屋外で気軽に使用したい場合は、持ち手が付いた小型機種を選ぶと使いやすいです。ただし、屋外で使用する場合は電源の確保に注意してください。
スポットクーラーでおすすめのメーカーを紹介
スポットクーラーを製造販売しているメーカーは多くありますが、メーカーによって「家庭用、業務用のどちらが主力なのか?」「機能はどのように違っているのか?」などさまざまです。ここでは、とくに人気の3社について紹介します。
アイリスオーヤマ(IRIS OHYAMA)
アイリスオーヤマは、主に家庭用モデルのスポットクーラーを販売しています。リビングやダイニングルームには「ポータブル」タイプ、キッチンや仕事部屋には「コンパクト」タイプといった、用途ごとに適したスポットクーラーがあります。
冷風・除湿・送風の3機能を搭載したもの、ノンドレン方式により排水処理の手間を減らす機能を備えたものなどが多く、日々の生活で快適な空間を過ごすためのスポットクーラーを探している方におすすめです。
山善(ヤマゼン/YAMAZEN)
山善は、主に家庭用モデルのスポットクーラーを販売しています。キャスターのついたものが多く、部屋をまたいでスポットクーラーを利用したい方にぴったりです。
冷風・除湿・送風を搭載したものはもちろん、なかには衣類乾燥用としてドライ機能を備えているものもあります。また、一部の製品には外観にもこだわっており、インテリア性を追求したデザインのものもあります。
ナカトミ(NAKATOMI)
ナカトミは、主に業務用のスポットクーラーを販売しています。特徴としてはダクトがついており、送風の方向を好みに変えることができます。
また種類も豊富であり、ツインダクトタイプやトリプルダクトタイプといった効率性に特化したもの、天吊りタイプなどの配置を考慮したものがあります。
【家庭用】スポットクーラーのおすすめ
山善|YEC-LD03C
参考価格 | 35,800円(山善ビズコム)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅25.0cm×奥行20.9cm×高さ48.2cm |
重量 | 10.0kg |
消費電力 | 250/300W(50/60Hz) |
アイリスオーヤマ|IPA-2822GH
参考価格 | 47,800円(Amazon)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅42.5cm×奥行39.3cm×高さ80.4cm |
重量 | 30.0kg |
消費電力 | 810/910W(50/60Hz) |
山善|YEC-K223
参考価格 | 42,800円(Amazon)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅32.8cm×奥行29.8cm×高さ69.2cm |
重量 | 20.0kg |
消費電力 | 980/1150W(50/60Hz) |
日動工業|SPCN-032
参考価格 | 59,330円(楽天市場)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅19.1cm×奥行46.5cm×高さ25.7cm |
重量 | 6.0kg |
消費電力 | 弱冷風:114/137W(50/60Hz) 強冷風:130/142W(50/60Hz) |
アイリスオーヤマ|ICA-0301G
参考価格 | 32,000円(Amazon)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅27.0cm×奥行24.7cm×高さ49.8cm |
重量 | 12.5kg |
消費電力 | 160/190W(50/60Hz) |
ナカトミ|MAC-20
出典:MAC-20|ナカトミ
参考価格 | 42,168円(Amazon)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅37.0cm×奥行34.5cm×高さ70.5cm |
重量 | 22.0kg |
消費電力 | 690/770W(50/60Hz) |
山善|YEC-M03
参考価格 | 41,100円(Amazon)※2024年8月時点 |
---|---|
大きさ | 幅27.0cm×奥行26.6cm×高さ43.2cm |
重量 | 10.0kg |
消費電力 | 170/190W(50/60Hz) |
アイリスオーヤマ|IPP‐2224S
参考価格 | 34,800円(Amazon)※2024年8月時点 |
---|---|
大きさ | 幅30.0cm×奥行31.6cm×高さ69.6cm |
重量 | 20.5kg |
消費電力 | 670/790W(50/60Hz) |
【業務用】スポットクーラーのおすすめ
ナカトミ|N410-HC
出典:N410-HC|ナカトミ
参考価格 | 113,6960円(Amazon)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅39.0cm×奥行47.5cm×高さ91.0cm |
重量 | 49.0kg |
消費電力 | 弱冷風:900/1,120W(50/60Hz) 強冷風:920/1,150W(50/60Hz) |
スイデン|SS-25EL
参考価格 | 84,000円(Amazon)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅39.6cmx奥行39.7cmx高さ83.3cm |
重量 | 40.0kg |
消費電力 | 730/900W(50/60Hz) |
日動工業|SPC25ACN
参考価格 | 88,880円(ヨドバシ.com)※2024年8月時点 |
---|---|
大きさ | 幅40.1cm×奥行43.0cm×高さ80.3cm |
重量 | 37.4kg |
消費電力 | 弱冷風:776/1,030W(50/60Hz) 強冷風:797/1,040W(50/60Hz) |
スイデン|SS-52DJ-3
参考価格 | 265,671円(Yahoo!ショッピング)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅52.0cm×奥行49.5cm×高さ119.0cm |
重量 | 79.0kg |
消費電力 | 2,160/2,700W(50/60Hz) |
ワキタ|MSC25
参考価格 | 390,220円(楽天市場)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅40.5cm×奥行43.0cm×高さ85.5cm |
重量 | 42.0kg |
消費電力 | 870/1,090W(50/60Hz) |
ナカトミ|PFC3
出典:PFC3|ナカトミ
参考価格 | 107,950円(ヨドバシ.com)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅42.5cm×奥行50.5cm×高さ96.0cm |
重量 | 51.0kg |
消費電力 | 950/1,150W(50/60Hz) |
スイデン|SS-67EJ-3
参考価格 | 331,821円(楽天市場)※2024年9月時点 |
---|---|
大きさ | 幅52.0cm×奥行62.0cm×高さ119.0cm |
重量 | 95.0kg |
消費電力 | 3,360/4,290W(50/60Hz) |
まとめ
スポットクーラーの選び方や、おすすめの機種について解説しました。改めて内容をおさらいしましょう。
- 用途により「家庭用」か「業務用」か選ぶ
- 「ノンドレン方式」ならお手入れが楽
- 家庭用なら冷房能力2kW以上がおすすめ
- 業務用なら冷房能力2.5kW以上がおすすめ
- 静音性を求めるなら騒音値(dB)をチェックする
- キャスター、持ち手がついているものは移動が楽
スポットクーラーは工事が不要で気軽に好きな場所で使うことができる冷房機器です。手間、冷房能力、搭載機能、大きさを事前にチェックし、使用目的に合ったスポットクーラーを選びましょう。
この記事を読んで、少しでもお役に立てていただけますと幸いです。
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