「エアコンの除湿と冷房の違いは?」、「エアコンの除湿や冷房を節電できる使い方が知りたい」と気になっている人は多いのではないでしょうか?
この記事では、エアコンの除湿と冷房の違いや除湿の種類、除湿と冷房の電気代の違いなどについて説明します。
エアコンの除湿と冷房をうまく使い分けたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
目次
エアコンの除湿と冷房の違い
エアコンに除湿と冷房の機能があることは知っていても、具体的な違いが分からない人は多いかもしれません。一般的に除湿は「部屋の湿度を下げる機能」で、室内から水分を取り除くことができます。
冷房は「部屋の温度を下げる機能」で、暖かい空気を室内から出して、冷えた空気を部屋に入れて涼しくしてくれます。
除湿運転の場合は、室内の空気をエアコンが吸い込んでアルミの熱交換器で熱を奪います。そうすることで、空気中に含むことができる水分量が減って、アルミの熱交換器に水滴がつきます。この水滴をホースから室外に出して、乾燥した空気を部屋に戻すことを繰り返すことで部屋の湿度を下げることができるのです。
冷房運転では、コンプレッサーで圧縮して冷やした冷媒でエアコン内の熱交換器を冷やします。熱交換器は何層ものアルミが重なったフィン状になっており、ここに冷やした空気を送ることで冷風を作り出して室内の温度を下げます。
除湿・冷房の用途を知り正しく使い分ける
湿気が多い時期や気温が高い時期に快適に過ごすためには、除湿と冷房を状況によって使い分けることが大切です。こちらでは、状況別の除湿と冷房の使い分けのコツについて説明します。
温度が高い時は冷房
真夏など室内外の気温が高い時には冷房機能を使いましょう。冷房機能を使えば、一気に室内の温度を下げて冷やすことができます。暑い夜にエアコンを付けたまま寝たくない場合には、寝る前に室内の温度を27℃程度まで下げておき、「切タイマー」を3時間に設定すると快適に眠ることができます。
湿度が高い時、部屋干し中は除湿
梅雨や雨の日など室内の湿度が高くジメジメする時には、除湿機能を使いましょう。洗濯物を部屋干ししている時にも除湿機能を使うと室内を快適に保つことができます。
湿度が高いが低いかは人によって感じ方が違いますが、人が快適だと感じる湿度は50%~60%とされています。60%を超えると不快に感じる人が多くなるので、除湿をして室内の水分を減らすといいでしょう。
湿度は湿度計で測ることができるので、気温や湿度を計測できるアイテムを1つ持っていると部屋の快適さを管理しやすいです。
湿度が高く気温も高い夜にエアコンを付けたまま寝たい場合は、エアコンの温度設定を28℃以上にて除湿運転をすると快適に眠ることができるでしょう。湿度設定できる場合は50%~60%以下にするのがおすすめです。
除湿の種類を知って効率的に活用
エアコンの除湿機能には、弱冷房除湿と再熱除湿、ハイブリッド除湿の3種類があります。こちらでは、それぞれの除湿の特徴などについて説明します。
弱冷房除湿
弱冷房除湿は、冷房で部屋の気温を下げながら湿度も下げます。弱冷房除湿を採用しているエアコンのモデルは多く、吸い込んだ空気を冷やして湿気を取り除くので吐き出す空気の温度も低くなるのです。除湿機能だけでなく弱めの冷房機能もあるので、気温があまり高くない日に使うと部屋が冷えすぎてしまう可能性があります。
再熱除湿
再熱除湿は、エアコン内部で除湿をしたときに冷えてしまった空気を温め直して、吸い込んだ空気と吐き出す空気の温度差をなくします。部屋の温度が下がらないので、気温が低い時に除湿機能を使いたいときに便利な機能です。ただ、一旦冷やした空気を温めるために電気代がかかり、冷房機能よりも電気代がかかる傾向にあります。再熱除湿を採用しているエアコンが少ないことにも注意が必要です。
ハイブリッド除湿
ハイブリッド除湿は、湿度を下げて冷えた空気と室内の空気を混ぜることで冷やしすぎずに送風する除湿機能です。弱冷房除湿よりも部屋を冷やすことなく、再熱除湿のように温めるための消費電力が必要になりません。電気代は再熱除湿よりかからず、弱冷房除湿と同じくらいの電気代です。室内を冷やす冷房効果はないので目的に合わせて使用しましょう。
除湿機能と冷房機能では電気代は異なる?
除湿機能と冷房機能の電気代はどのくらい違いがあるのか気になる人も多いでしょう。実は、除湿機能と冷房機能で「どちらの電気代が高い」と明確に決めることはできないのです。除湿機能や冷房機能の電気代は、エアコンを使用している環境や設定温度、設定湿度などによって異なります。除湿や冷房といった運転モードの違いというよりは、エアコンの電気代は「室内と設定温度の差」に左右されます。
同じ室温で冷房機能と除湿機能を比較する場合、一番電気代が高くなるのは再熱除湿です。再熱除湿は一度冷やした空気を温める必要があるため冷房よりも電力が必要になります。次に電気代が高くなるのは冷房機能で、それほど電気代がかからないのが弱冷房除湿とハイブリッド除湿です。
除湿機能を使うとカビが増える?原因と対策
エアコンの除湿機能を使うとエアコン内部で水滴が発生するためカビの原因となってしまいます。こちらでは、除湿機能でカビが増える原因とカビ対策などについて説明します。
室内機の中に残った結露がカビの原因!
除湿機能を使うときには吸い込んだ室内の空気を冷やす必要があり、この時に水滴や結露ができます。冷房や除湿運転時には、エアコン内部の湿度は90%を超えるのでカビが増えやすい環境になります。また、室内の空気を吸い込む時にホコリやチリなどの汚れも一緒にエアコン内部にたまっていき、カビが増えてしまうのです。
運転停止後は送風や換気を行う
エアコンの運転停止後に3~4時間送風運転をするとエアコンの内部を乾燥させることができるのでカビ対策になります。また、エアコンに内部クリーンモードがある場合は、内部クリーンを使用しましょう。エアコン使用後の習慣として、内部クリーンや送風機能を使うとカビを防止することができます。
定期的にフィルター掃除を行う
定期的にフィルター掃除を行うことでカビ予防になります。フィルターのホコリを掃除機で取り除き水洗いするだけで、簡単に清潔さを保つことができます。フィルター掃除は2週間に1回程度行うことがおすすめですが、エアコンの使用頻度や使用時間が長い時には1週間に1回など間隔を短くするのもいいでしょう。フィルターを掃除することでカビ予防だけでなく、節電やにおい対策にもなります。
フィルター掃除について詳しくはこちらの記事「エアコンフィルターの正しい掃除方法とは?汚れ防止のポイントも紹介」をご確認ください。
水漏れが起きたら結露が原因かも
エアコンから水漏れが起きている場合は、結露が原因の場合があります。水漏れがカビの原因となることがあるので、直らない場合には業者に点検してもらって不具合を解消する必要があります。
水漏れについて詳しくはこちらの記事「エアコンの水漏れが起きたら? 原因と対処方法を解説!」をご確認ください。
まとめ
エアコンの除湿と冷房機能の特徴や使い分け方などについて説明しました。
こちらで記事の内容をおさらいしましょう。
【除湿・冷房の用途を知り正しく使い分ける】
【除湿機能を使うとカビが増える】
エアコンの除湿機能は室内の湿気が多い時に使うと効果的ですが、室外も室内も気温が高い時には除湿機能よりも冷房機能を使う方が効果的です。除湿機能と冷房機能の電気代にそれほど違いはありませんが、気温が高い時は冷房機能、ジメジメを解消したいときは除湿機能を使うと節電効果を発揮しながら快適に過ごすことができます。